映画 コクリコ坂から を観た感想

公開からもう一ヶ月も経ってるけど、まだ観てなかったので近所の映画館に行ってきました。

以下、ネタバレがあるので注意。大抵の人はもう観てるだろうから問題ないか。


率直にいうと物足りなさを感じた。最後の場面から、エンディングロールになったとき「え、もう終わり?」と。
要所要所は見入るんだけど全体的にまとまりがなく物語がぼやけていた。

台所の羽釜や雑貨、商店街のにぎわい、高校生の学生運動のまねごとやガリ版刷りその他もろもろの描写は懐かしさを誘って年配の人にはウケるのかもしれないけど、使い古されたベタな描写でわざとらしい。

あと、カルチェラタンの中って千と千尋だよね、あれ。
でも、ちょっといいなって思ったのは、変わり者とみられていた文化系の部員たちが、女子と接触して顔を赤らめながら一緒にカルチェラタンを掃除をするシーン。変わっているけど好きなことに夢中で、純朴な、愛すべき人たちとして描かれているのは微笑ましかった。


俊の出生の真実が判明したときは「あ、そうだったんだ」ってちょっと感動したけど、説明があっさりすぎる。親父さんがどういう人物で、最後どのように亡くなったかという描写がない。

描写はなくとも想像しろ、ってことなのかな。

海が泣いたのは、過去の経緯を知った悲しみと、彼とは決して結ばれる事がないという絶望がくつがえされたうれしさ、この二つなんだろうけど、自分は涙を誘われなかったな。

で、もう真実が判明していたので、最後の船上の場面は事実の確認でしかなく感動しなかった。
あといきなりLSTとか言われてもわかんないよ。帰宅した後でググったら LST は戦車揚陸艦のことらしいけどさ。LSTって何だろう..って思っているうちに映画が終わったよ。


あと挫折がない。尺の都合かもしれないけど学校の理事長である社長に直談判にいってトントン拍子に話が進んでしまう。あそこは社長に一度、けんもほろろに相手にされず帰されて、その後に熱意を理解して「しかたない、会ってやるか」という展開があってもよかったと思う。

作品が伝えたかったメッセージは「行動すれば想いは伝わる」ってことなのかな。にしては、あまりにも簡単に事が運びすぎじゃないかな。

あと、主題歌のサビをCMで何度も聴いていたので劇中にかかったときは正直聞き飽きていた。興行的に成功するための宣伝は必要とはいえ、もったいない。


批判的な感想になって残念。期待していたので、つい。
もう一度観ると感想変わるのかなあ。